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ひがしみの昔話

ひがしみの昔話

ツンツンカラカラビービーソ〈中津川市加子母〉

 昔々、お爺さんが山へ草刈りに行きました。あまり鼻が出るので、ツンと手鼻をかんで木の枝に塗りつけておいて、草を刈っていると、小さい小さい鳥がその鼻にくっついてチンチンと鳴くので、お爺さんは捕まえて、そのまま呑んでしまいました。すると、小さい尻尾がへそのところへ出ました。お爺さんがちょっと抓んで引くと、「ツンツンカラカラビービーソ、コガネのチョーチョー」と良い声で鳴きました。
 次の日、殿様のお通りに道端で竹を切っていると、お供の者が「殿様のお通りに、竹を切っておる奴は何者じゃ」と叱りました。お爺さんは「屁こき爺でございます」と言うと、「ここへ来て屁をこいてみよ」と言われました。お爺さんがへその尾を引くと「ツンツンカラカラビービーソ…」と言うので、殿様は「これは珍しい」と褒美をくれました。
 隣の欲深婆さんは、その話を聞いて、家の爺さんに教えました。爺さんは殿様のお帰りに、同じように竹を切っていると、家来に叱られ「屁こき爺でございます」と答えると、屁をこいてみよと言われ、いくら息んでも屁は出ず、汚いものが出て、殿様は大変怒って、家来が爺さんの尻を切りました。
 欲深爺さんはお尻から血を流しながら、帰って行きました。
 その時、欲深婆さんは、便所の屋根に上って、「ありゃ、家の爺さんは、赤犬や白犬を貰って連れて来ようござる」。
 血を舐めてついて来る犬を見て、喜び過ぎて踊ったものだから、下へ滑り落ちて大けがをしました。


中津川加子母
【解説】
 一般に伝えられている「屁こき爺」の昔話は、屁を音楽のように放る爺さんの話で、宴席などに呼ばれて好評をはくします。これにも欲深爺さんが登場し、屁の放り方を教えてくれと頼みます。爺さんは屁の出る薬を二袋渡すと、欲深爺さんは上手に屁を放ろうと二袋飲む。結果は下痢をしてしまいます。