HOME > ひがしみの昔話 >

ひがしみの昔話

ひがしみの昔話

龍神の滝〈中津川市川上夕森〉

 川上村の夕森公園には真っ白な龍が住んでいる龍神の滝があります。昔この滝の上で大きな木を切り倒して川下へ流し、金儲けをしようと考えた人たちがやってきました。
 バリバリバリ、ズシーンと大木が滝壺へ落ちて行きました。すると滝壺から巨大な真っ白な龍が姿を現し、ウォーと怒りの鳴き声を放ち、空へ上っていきました。見る間に空一面に真っ黒な雲が現れ、ピカッと稲妻がきらめき、ゴロゴロゴロと雷が鳴り渡り、ぶちまいたようなはげしい雨が降り出しました。
 七ぬか七晩、雨は少しもやまずに降り続きました。川上村は家が流され田畑も水をかぶってしまいました。
 村人たちの嘆きは谷間に満ち溢れました。夜も眠らず、龍神に許しを請う必死の祈りもなかなか天には届きません。
 若者たちは、神様に奉納する太鼓で龍神の怒りを鎮めようと、濁流逆巻く川岸で太鼓を叩きました。願いが天に届けと打ち鳴らす太鼓の音は、遠くの山々にも響きます。
 不思議なことに、降り続いていた雨もやみ、白々と夜が明けると、川ももとの清流にもどっていました。
 川原に光るものがあります。村人たちが言ってみると「龍」と書かれた石がありました。この石を龍神の滝へ運び、社を作って大切にお祭りしました。
 二度とこのようなことが起こらないように、毎年4月に龍神神社のお祭りをしています。 その後は何事も無く、川上村はずっと平和な村として続いているのです。


【解説】
 夕森公園内にある龍神の滝は岐阜の名水五十選に選ばれている。光の加減で一日に7回も色が変化すると言われ、夏の間のみ人工的にライトアップされ、神秘的な世界を楽しませてくれる。
 龍は雨、水を司り大自然を守る。架空の動物だと言って、おろそかにされるようになったとき、自然は破壊され、人間に対して大きなマイナスとなるのではあるまいか。