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ひがしみの昔話

ひがしみの昔話

茄子川〈中津川市茄子川〉

 茄子川というところは、昔から、茄子をたくさん作っているところで、どこを見ても茄子の畑ばっかりだったそうです。
 茄子というものは原産地はインドで、形は品種によって、丸いものや、細長いものなどさまざまです。"親の意見と茄子の花は、千にひとつも無駄がない"と歌舞伎でいうように、きゅうりやかぼちゃと違って、花が咲けば必ず実がなります。
 あるとき、偉い殿様が亡くなられたものだから、「大きい声を出したり、鳴りものを鳴らしてはいけない」といって、お布令が出ました。
 昔は、偉い人が亡くなられたりすると、大きな声で歌をうたって騒いだりすると、叱られたものです。
 おとなしくしていなければならなかったのです。
 それで、そういうお布令が出たのです。
 ところが、昔は字が読める人は少なかったし、ましてや漢字の読める人となると、十人に一人ぐらいしかいませんでした。
 村の人たちは「なりものをならしてはいけない」ということを、「木に生るものを生らしてはいけない」と、聞き違いして、村中に生っている茄子を、みんなちぎって、川へ捨ててしまいました。川は茄子で埋まりました。
 お役人が見にきて、「こりゃ、茄子の川じゃ」といって、たまげました。それから、この村を茄子川と呼ぶようになったということです。


【解説】
 採る茄子の 手籠にきゅアと なきにけり  蛇笏
 ナス科の双子葉植物は約二〇〇〇種が、熱帯から温帯にかけて分布し、中南米に多い。
 ナス・トマト・ジャガイモ・タバコやチョウセンアサガオ・ハシリドコロなどがナス科の植物である。(「大辞泉」より)