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ひがしみの昔話

ひがしみの昔話

夜泣き松〈恵那市岩村町〉

 赤ちゃんが夜、眠らないで泣くことがあります。それを「夜泣き」といいます。夜泣きにはいろいろ原因があります。 
 目を覚ましたとき、だれも側にいてくれなくて淋しいとき、おムツが汚れていて気持ちが悪いとき、おなかが空いたとき、体のどこかが痛いとき。こんなときに赤ちゃんは泣くのです。 
 一日の半分以上眠っている赤ちゃんのことです。普通は夜は眠るものです。
 ところがこうした原因が一つもないのに、泣くことがあります。おムツも替えたのできれいです。お乳も飲んだばかり、体も医者に見せたが異常なし、母親がしきりにあやしても激しく泣くばかりです。こういうのが「夜泣き」です。
 「お父ちゃんは今夜も来てくれない。どこかにいい女ができたのかもしれない」
 母親が赤ちゃんに話しかけるようにそう言うと、赤ちゃんは激しく泣きます。自分が泣けば、父親が来てくれるのではないか、と思うのです。
 「夜泣き」「ひきつけ」を起こす原因不明のものを、疳の虫のせいといいます。
 飯羽間から上平へ向かう東海自然歩道の途中、新田の池のそばに、人々から「夜泣き松」と呼ばれる松の大木があります。この松の木の皮を剥いできて、仏壇のお燈明の代わりに、仏さまの前で燃やすと、声高く夜泣きをしていた赤ちゃんが泣き止むそうです。
 このことは昔から伝えられ、母親達はこの松の木に通いました。
 今の松は二代目の松と言われています。


東海自然歩道に残る夜泣き松跡
【解説】
 恵那市上矢作町下の大島友三により近在の子どもの虫封じが行われた。手の平に墨で「南」と云う字を書きながら、「南無阿弥陀仏」と唱えることを三回繰り返した後、手を洗い、拭いた手の平の指の間・指先・関節のところから白い糸の様な煙の様なものが出てくる。それが疳の虫である。(『上矢作町史〈民俗編〉』より)