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恵那山麓の草花

恵那山麓の草花

JAひがしみの管内で最高峰の恵那山は標高2,190m。恵那山麓は南方系植物の北限と北方系植物の南限と言われ、豊かな植生を持っています。山麓に自生する草花を紹介します。

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サ行
サイハイラン【ラン科】

 山地のうす暗い林の中などに生える多年草です。常緑性の先のとがった広い葉を1枚(時に2枚)つけ、花が終わると新葉と代わります。
 花は1本の茎に一方方向に片寄って縦に並び、10個〜20個垂れ下がってつきます。花の色は淡いピンクか薄紫色で地味ですが、ラン特有の気品が漂ってきます。昔の武将が指揮に振りかざした采配(さいはい)に似ていることから名が付いています。

サワギク【キク科】

 深山の湿り気のある木陰に生える多年草です。茎は多角形で一本立ちし、葉は互生して羽状に深く裂けています。6月〜8月、茎の上の方で、多数の長柄に分かれて房状に黄色の頭花がつきます。一種の臭気があります。
 花は舌状花と管状花とあり、管状花のほうが多くつきます。
 冠毛は白色で光沢があり、林内に彩りを添えます。種子を飛ばす時、冠毛が白いぼろきれの集まりに見えることから、ボロギクの別名もあります。

サワギキョウ【キキョウ科】

 山野の湿地に群生し、濃紫色の鮮やかな花が目をひきます。茎は1m位まで伸び枝分かれをしないすっとした姿をしています。
キキョウ科にしては珍しく花びらは上2枚、下3枚の唇形をしています。がくの筒部は鐘形になっていて子房と合着し、先が5片に裂けてとがります。茎からは白い液汁が出て挿穂にするとよく発根するといわれています。根茎は太く短く横に這います。

サンカヨウ【メギ科】

 深山に生え、太い茎が左右にわかれ、大きな葉がつきます。葉は20〜30cmと大きいのが特徴です。花は白色で数個つき、清楚な感じがします。
 6月に花を咲かせて、8月には熟した実をつけます。種子は大きく青い美しい色をしています。

ジシバリ【キク科】

 日当たりのよい田畑、道端、山野の裸地で見かけます。遠くから見るとタンポポと間違えたりしますが、葉にギザギザがないので区別できます。
 茎が地面に縦横にはりついているところから名がつき、そのためにこの花が庭に生えると、その茎をとるのに大変です。

ジャノヒゲ【ユリ科】

 林の中に生える多年草です。細い葉が多数叢り先がなだらかに曲がります。別名「竜のひげ」ともいい、常緑が好まれて庭や石垣の縁取りに植えられます。  初夏に葉の元から短い花茎が出て淡紫色または白色のじょうご形の小さな花が下向きに咲きます。葉の下でひっそりしていた種子が冬になると瑠璃色に輝きます。この瑠璃色に光る球を「猫玉」と呼び表皮をとってはずませるとよくはずみます。根は薬に使われます。

ショウジョウバカマ【ユリ科】

 山地のやや湿り気の多い所に生える多年草です。雪の下で花芽を準備し、春の訪れを早く知らせる花です。直立した茎は分枝せず、頂きに半開きの花が固まって咲きます。花の色はうす紅色から濃赤紫まであり、花後は丈を伸ばして種子をつけます。
 ロゼット状に広がる葉は皮質で少し光沢があります。葉は袴(はかま)に見たてられ、花が赤いことから猩々(しょうじょう:中国の伝説上の動物)とまた葉が冬に赤茶色に変化することから(しょうじょう)となったと二説の名の由来があります。

シラヒゲソウ【ユキノシタ科】

 山地の湿った所に生える多年草です。秋に15〜30㎝位の花茎を出し、頂上に1個の白い5弁花をつけます。花弁の縁が細く切れ込み白いひげの様に見えることが、名の由来になっています。
 根生葉は束生し長い柄がありますが、茎生葉には柄がなく、円形で花茎を抱きます。この柄のない葉と頂上の白いひげ状の花姿の取り合わせに、一層の味わいを感じます。
 ウメバチソウの仲間には、仮おしべがあり、本種も先端が3つに裂ける仮おしべがあります。

ジロボウエンゴサク【ケシ科】

 和名は次郎坊廷胡索。昔、伊勢地方の子供が、この草を次郎坊、スミレを太郎坊と呼び、後ろにつき出た花の距をからませひっぱり合いををしたそうです。また、漢法ではこの仲間の鬼茎を延胡索と呼びます。
 弱々しい茎が10〜20cm立ち上がり、紅紫色〜青紫色の花を4〜5月に咲かせます。

シュンラン(ホクロ)【ラン科】

 春を探しに林などの日当りのよい所を歩いていてこの花に出会うとほっとします。葉は硬く縁に荒いザラザラがあるが、常緑で雪に耐え、美しい。すっきりとした品のよい花姿は、愛好家ならずとも心が安らぎます。
 一つの花茎に一つの花が横向きに咲きます。中央の唇弁に紫紅色の斑点があり、この斑点をホクロに見立てて、「ホクロ、ホクリ」とも呼ばれます。また、ずい柱を爺に唇弁を婆に見立てて「ジジババ」とも呼ばれています。

ズダヤクシュ【ユキノシタ科】

 恵那山への登山など、山地の樹林下に見かけます。
信州では喘息(ぜんそく)のことをズダと呼び、薬効があるというので、和名では喘息薬種(ズダヤクシュ)と書きます。
 6〜8月頃、茎頂に数個から25個位の花が咲きます。茎葉ともに毛が多く、走出枝を出します。

セキヤノアキチョウジ【シソ科】

 林のヘリなどに生える多年草です。直立した四角い上部に花柄を出し、長い花柄の先に青紫色の美しい花を多く付けます。
 花は筒形で筒部が長く、先で上唇が4裂に裂け、下唇は舟形に突き出す愛嬌のある花です。
 和名は秋に咲くT字形の花から付けられているが、アキチョウジよりも、5裂したガクが鋭くとがることや、花柄に毛がないことで区別されます。
 「セキヤ」と付くのは岐阜以東、付かないのは岐阜以西に分布するとされています。

セリバオウレン【キンポウゲ科】

 3月、野山にまだ真っ白な霜が下り、陽射しだけが確かに強くなったと感じる頃、日陰気味の北斜面に人知れず咲いています。
 地味な花で、枯れた草にまぎれてほとんど気づかれることはありません。
 キクバオウレンとともに単にオウレンと言い、日本産の薬草として世界的に有名で、消炎、解毒効果があります。

センナリホオズキ【ナス科】

 畑などに生える熱帯アメリカ原産の1年草で、小さな果実がたくさん付くことから「千成り」といいます。
 茎はななめに立って枝が多く、花は淡黄色の五角形、中心部に紫の斑紋があり、下向きに咲きます。
液果は球形で、花のあと大きく袋状になったガクに包まれますが、熟しても赤くならず、緑色のままです。食べるとわずかな甘みがあり、ホオズキのような苦みはありません。

センブリ【リンドウ科】

 晩秋、山野の樹林下などで稀に出会う可憐な花です。翌年咲く草はこの時期、根生葉となって越年します。
 花びらは白地に紫色の筋があり、深く5枚に裂けるが、基部はつながっています。
 全草に苦味があって胃腸薬として利用されます。「千回振り出してもまだ苦い」という意味から「センブリ」の名が付いていますが、薬に当てるということで「当薬」の別名のあります。

センボンヤリ【キク科】

 春は葉の根元から茎を伸ばして頭頂に白い小形の花をつけます。
 花の裏側が紫色をしているのでムラサキタンポポという別名もありますがタンポポ属ではなくセンボンヤリ属です。
 秋になると丈も大きくなり、勢いのいい花茎を何本も出して春とは全く違う閉鎖花を付けます。この花の姿が千本の毛槍に見立てられ名の由来となりました。

ソバナ【キキョウ科】

 山地の傾斜地や谷間などに生える多年草です。ツリガネニンジンに似ていますが、葉は互生し草丈が大きく花もまばらにつきます。8月頃鐘形で先が5裂した青紫色の美しい花が下向きに咲きます。
 若芽は山菜として食用になりますが、恵那山麓ではあまり多くは見かけません。
 名の由来は、そばの葉に似て柔らかい。山地の傾斜地の岨(そば)に生える。木陰などの湿った地に生え杣葉(そまば)がなまったなど色々です。