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恵那山麓の草花

恵那山麓の草花

JAひがしみの管内で最高峰の恵那山は標高2,190m。恵那山麓は南方系植物の北限と北方系植物の南限と言われ、豊かな植生を持っています。山麓に自生する草花を紹介します。

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タ行
タヌキマメ【マメ科】

 日当りのよい草原に生える一年草です。花は7月から8月頃まで咲きます。細長い葉が一枚ずつ付くのでマメ科らしくないが、蝶形の葉を見るとうなづけます。枝分かれした茎の先に青色の鮮やかな花が咲きます。
 花と萼とを前ら見ても狸の顔に見えますが、茶色の毛に覆われて丸まった形の実の様子も愛らしい狸に見えてうまく名付けたものだと納得します。

タニギキョウ【キキョウ科】

 低山帯から亜高山帯までの谷間や湿った林の中に生える多年草です。細い根茎が分枝して立ち上がり、群生して花をつけます。白い鐘型の花は深く5つに裂け、先は星のように開きます。
 まばらについた葉には短い柄があり、葉の縁には少数のきょ歯があります。葉も花も小さくて弱々しく、雪で作ったお星様のような愛らしい花です。

チダケサシ【ユキノシタ科】

 神坂あたりでこの花が咲き出すと、山里は一気にお花畑化します。夏の風が青い稲やトウモロコシをそよがす頃、周りの畦やみちばたはこの花の優しい桃色の花穂で彩られます。
 茎が細く強いのでチチタケ(キノコ)をさして持ち帰ったことからこの名前が付きました。
日当たりがよく湿った所に生えます。

ツクバネソウ【ユリ科】

 深い山の林内に生える多年草で、輪状に開いた4枚の葉を羽根つきの羽根に例えてこの名となりました。
 6〜8月、緑色の目立たない花を、1個上向きに咲かせます。果実は球形で1cm位、熟して紫黒色となります。葉が6〜8枚輪生するものをクルマバツクバネソウといい、両方とも恵那山で見ることができます。

ツチアケビ【ラン科】

 山の木陰の腐った葉などの菌糸に寄生する多年草です。
初夏に枝の上の方に半開きの大形の花穂を多数つけます。花の色褐色で端は淡赤色のボカシになっています。茎は肉質で直立し、まばらにりん片が付くものの、葉のない植物です。
 秋、アケビに似た実を結ぶことが名の由来になっていますが、他にも山の神の錫杖、狐の錫杖、山唐辛子の別名もあります。錫杖(シャクジョウ)は修験者の持つ杖のことで、茎の先から垂れ下がる果実の様子が似ているからです。

ツボスミレ【スミレ科】

 田のあぜや、林のふちなど少し湿った草地にふつうに見られるスミレで、花期は遅く5月末まで、咲いています。
 スミレには茎のあるタイプとないタイプがありますが、本種はあるタイプです。よく似たものに湿地に生えるアギスミレがあり、葉がブーメランの形をしているので見分けられます。

ツリガネニンジン【キキョウ科】

 7月下旬頃、神坂・広済寮への坂道、日当たりのいい土手に群生しています。名の由来は花が鐘形で根が薬用ニンジンに似ていることから名が付けられました。芽生えは食用野草として栄養価が高く、高さ30〜60cm位で茎を折ると白い汁が出ます。淡い紫色の花を輪のように下向きに咲かせ、涼しい午前中に出会うとさわやかな気分となり、つい見とれてしまいます。

ツリフネソウ【ツリフネソウ科】

 山麓の湿地に生える一年草です。 ホウセンカの仲間で熟した果実に触れると、果皮が巻き返り種子をはじき飛ばします。
 この花が風に揺らいでいるのに出会うと、自然の織りなす巧みな技に感動してしまいます。枝の上の方に紅紫色の腺毛のある柄を伸ばし、帆かけ船をつり下げたように咲きます。
 花よりがく片の方が大きくて美しく、下側の一辺は曲がった距をつけて、蜜を貯え、蜂や虫を呼びます。
黄色や白花も山麓で見られます。

ツルニンジン【ききょう科】

 ふもとの林の中などに見かけるつる草です。
 木にからまって咲く鐘形の花は、祭ちょうちんをつるしたようです。花の外側は白緑色、中は紫褐色の斑点模様があり、つるを切ると白い液が出ます。
 同じ花の受粉を避けるために、雄しべが花粉を散らした後、雌しべが成熟します。
 太い根が朝鮮人参に似ていることから名が付いています。(別名・じいそぶ)

ツルリンドウ【リンドウ科】

 秋の紫色の花々の中の、りんどう科のものを紹介しましょう。本種は、分布域が標高450〜1800mと大変広く、登山道などにもよく生えています。
 つるが目立たないので花が宙に浮いているようにも見えます。つるはそれほど長くならず地を這っているのを見かけます。
 初冬には赤紫の光沢のあるつぶらな身はネックレスにしたい美しさです。花期は8月〜10月頃です。

トウノウネコノメ【ユキノシタ科】

 恵那山麓とその周辺東濃東部で見つかった花で、学会で1999年「トウノウネコノメ」と名付けられた花です。花びらはなく、黄色い4枚のがく片に囲まれるようにして、雄しべが長くとび出るのが特徴とされています。山地の川沿いや湿った所に群がって生えています。花期は3月から4月。ネコノメソウの種類はたくさんありますが、「ネコノメ」と名付けられた1つは、果実の中についている黒い線が猫の目に似ているからと言われています。