夏秋なす3S研究会開催
東美濃夏秋なす生産協議会と県恵那農林事務所農業普及課は9月11日、JAひがしみの管内の圃場で第2回夏秋なす3S(スリーエス)栽培研究会を開いた。同システムの導入者や導入を検討している生産者、関係者ら約30人が参加した。
3Sシステムは、県中山間農業研究所が開発した技術。5㍑の培土をナイロン製の袋「ベルポット」に充填し、土壌から隔離して栽培する。土壌病害を回避して連作できることから、省力化と低コスト化につながる。
研究会では、夏期高温時における生育の安定化、収量と品質の改善を目標に、実証圃場の栽培管理や各種データを生かして、肥料濃度や給液方法の見直し、マグネシウム欠乏への対策などを確認した。
恵那市の小澤照男さんの圃場は、今年が夏秋ナスの3S栽培一年目。土耕栽培と比較検討した上で導入した。小澤さんは「培土量が少ないため給液管理に注意を要するが、しっかり管理すればつやなし果なども軽減できると考えている。ナスの株元まで近づけるため、土耕栽培より作業労力が軽減できている」と話した。
同研究所の担当者は「3S栽培は給液濃度と給液回収が重要。草勢とともに、給廃液の電気伝導度(EC)を基にした栽培管理に取り組んでほしい」と指摘した。
JA管内では、生産者43人が200㌃で夏秋ナスを栽培。3S栽培はそのうちの2割、栽培株数では3割にまで拡大している。