「大嘗祭」に東美濃ぽろたんを供納
JAひがしみの管内の東美濃栗振興協議会ぽろたん部会が栽培する、「東美濃ぽろたん」が天皇の即位後の宮中行事として執り行われる、大嘗祭(だいじょうさい)に供納する栗に選ばれた。
大嘗祭には、収穫を祝い五穀豊穣を祈る儀式で、全国四十七賭都道府県から米や特産物が供えられる。岐阜県からは、精米、精粟のほか、特産品として柿、栗、りんご、干鮎、干椎茸が共納される。同管内で栽培される東美濃ぽろたんは、加熱することで渋皮が鬼皮と一緒にぽろっと剥ける大粒の品種。低温貯蔵することででんぷん質が糖に変わり、糖度も20度以上あることから、JA全農岐阜の推薦を受け選ばれた。
同協議会は、中津川市と恵那市の栗生産者で組織され、平成20年には、JA・県とともにぽろたん研究会を設立し数名が栽培を始めた。低樹高剪定や貯蔵方法などの技術を高め、昨年から生産農家46戸が同協議会ぽろたん部会として新たに組織された。徹底した選果などによりさらなる品質の向上を目指している。同協議会の森晃会長は「とても名誉なことで光栄の一言に尽きます」と話し、ぽろたん部会の水野賢治部会長は「生産者の長年の苦労が報われ、今後の栽培の励みになります」と喜んだ。また、東美濃ぽろたんを栽培初期から指導している県中山間農業研究所中津川支所の神尾真司所長は「大粒で糖度が高い品種、渋皮が簡単に剥がれる特徴は付加価値が高い」とこれを契機に栽培農家が増えることに期待を込めている。
供する東美濃ぽろたんは、11月14、15日に皇居で催される大嘗祭に向け既に収穫済みで、現在は糖度を高めるため低温貯蔵中、11月上旬に宮内庁に送られる。