「なす生産拡大大作戦」新規生産者が植え付けを始める

営農指導員と共に苗を植え付ける栽培農家

JAひがしみのは、「なす生産拡大大作戦」と題した夏秋なす産地の維持と生産者の減少に歯止めをかけるため、取り組みを行っている。苗の植え付けが始まるこの時期までに49人の生産者の応募があり、取り組みの成果に期待がかかっている。
同JA管内は夏季冷涼な気候と共販共選体制をとっていることで、色・ツヤ・形の優れた品質が市場で高い評価を得ている。2017年度からは産地のレベルアップのため、独自の生産工程管理「ひがしみのGAP」から、農水省ガイドラインに準拠した「岐阜県GAP」に切り替えた。また岐阜県中山間農業研究所が開発した栽培方法「3Sシステム」の普及も進めている。
しかし、生産者数は高齢化や後継者不足により年々減少している。2019年度は生産者43人、作付面積約2haまで落ち込んだ。この状況を改善しようと、2019年12月に営農部の若手営農指導員が、「なす生産拡大大作戦」を企画。小規模農家が参加しやすいよう、1日1袋からでも出荷ができる体制を整えた。
農家への取り組みの提案は営農指導員や営農担当職員だけでなく、JAひがしみの全体の活動として、支店でのポスター掲示やチラシ配布、農家宅への訪問を行った。新規栽培の応募者は、JAが開くアグリゼミ参加者、学校給食出荷グループ、直売所への出荷者ら60代を中心に女性も6人も参加している。
同JAの育苗センターで育てられた「千両2号」の苗は5月中旬より農家へ配達された。営農指導員の指導の下、植え付けが始まっている。新たな出荷者の出荷目標は約3トン、6月下旬から近畿・中京市場へ出荷されれる。