なす生産拡大大作戦!

 JAひがしみがナスの生産・出荷希望者の増加を目的に昨年12月から取り組む「なす生産拡大大作戦」に、約40人の応募があり、取り組みの成果が表れている。ナスの生産・出荷希望者が増加している。3月下旬には管内4会場で希望者を対象に説明会を開催予定。同JAでは、産地の維持と生産者の減少に歯止めをかけるため、今後も希望者を募っていく。
同JA管内は夏季冷涼な気候と、県内で3ヵ所のナス選果場の内の1つで共販共選体制をとっていることで、色・ツヤ・形の優れた品質が市場で高い評価を得ている。栽培では土壌病害の対策としてほ場の移転や徹底した排水対策、台木品種を活用した接ぎ木苗の使用を基本としている。2017年度からは産地のレベルアップのため、独自の生産工程管理「ひがしみのGAP」から、農水省ガイドラインに準拠した「岐阜県GAP」に切り替えた。また岐阜県中山間農業研究所が開発した栽培方法「3Sシステム」の普及も進んでいる。
しかし、生産者の人数は高齢化や後継者不足により年々減少。東美濃夏秋なす生産協議会が設立した1998年度には117人が約6haで作付していたが、2019年度は43人が約2haで作付している現状。このような課題を解決するため、2019年12月に「なす生産拡大大作戦」と題した取り組みを開始。小規模農家でも参加しやすいよう、1日1袋からでも出荷ができる体制を整え、出荷農家と出荷量の増加を狙う。また、農家への取り組みの提案は営農指導員や営農担当職員だけでなく、JAひがしみの全体の活動として、支店でのポスター掲示やチラシ配布、生産者宅への訪問や学校給食への出荷グループへの声掛けなどを行っている。
同JA営農部営農企画指導課の篠ヶ瀬かりん営農アドバイザーは「取り組みを通じて、多くの方に栽培した野菜を販売する楽しさを感じてほしい」と話した。