産地の基盤強化に向けて組織再編 東美濃夏秋なす生産協議会

東美濃夏秋なす生産協議会は3月26日、JAひがしみの本店で令和元年度の総会を開きました。総会では新たに4支部を設置、仲間と切磋琢磨しあえる組織とし、産地の一層の基盤強化に向けて意思統一を図りました。
同協議会は、1998年にJAひがしみのが合併したことを契機に、4地域にあった生産組合が集まり設立、当初は117人が約6㌶で作付していましたが、高齢化や後継者不足により年々減少し、現在では生産者40人余りが約2㌶haで作付しています。夏季冷涼な気候と、県内3カ所のナス選果場の内の1つとして共販共選体制をとっていることで、色・ツヤ・形の優れた品質が市場で高い評価を得ている。主に長卵形品種「千両2号」を栽培し岐阜、京都市場へ年間約111㌧の出荷しています。
同協議会ではJAひがしみのと連携し、産地の維持と生産者の減少に歯止めをかけるため、2010年からナス栽培に興味ある人を対象に「なす栽培チャレンジ塾」を開催、毎年10人程度が参加し、新規就農者も増えています。また、土壌病害による減収リスクが小さく、省力栽培が可能な3S(スリーエス)栽培を積極的に導入しています。県中山間農業研究所が開発した技術で5㍑の培土をナイロン製の袋「ベルポット」に充填して液肥で栽培する技術。この栽培方法での生産者は栽培面積の2割、栽培株数では3割にまで拡大しています。
昨年12月からは、「なす生産拡大大作戦」と題した取り組みを開始。小規模農家でも参加しやすいよう、1日1袋からでも出荷ができる体制を整え、出荷農家と出荷量の増加を狙っています。また、農家への取り組みの提案は営農指導員や営農担当職員だけでなく、JAひがしみの全体の活動として、支店でのポスター掲示やちらし配布、生産者宅への訪問や学校給食への出荷グループへの声掛けなどを行い、生産者の増員に取り組んでいます。
総会で新たに会長に選出された原進会長は「出荷農家確保のため、生産者・JA・行政等関係者が一体となり情報を共有し、今まで以上に市場・消費者に信頼される産地を目指そう」と呼び掛けました。