超特選栗出荷開始
JAひがしみの管内で超特選栗部会が生産する「超特選栗」の出荷が始まった。2018年度は5月の高温により平年より生育が1週間程度早まり、6月の少雨で良好な受粉だが、着毬数は少ない状況。昨年度より2日早い出荷となった。管内では9月4日の台風21号の風雨により樹が倒れ、いが栗が青いまま落ちるなど、多数の栗園で被害が確認されている。昨年度の出荷量132㌧に対し、今年度は少ない見込み。8月29日に同JA東野営業所で行われた出荷目揃え会には、同部会や同JA、県恵那農林事務所など約80人が集まり、出荷規格を確認した。
同部会は東美濃栗振興協議会の専門部会として、現在79戸が所属。「低樹高長果枝剪定」や県認証の「ぎふクリーン農業」による施肥・防除などの栽培条件、品種の限定など、栽培や出荷に関わる厳しい規定により、高い品質を確保。銘菓「栗きんとん」を販売する地元菓子店との契約出荷により高値で取引されている。
同部会では2017年度から出荷のロスを減らすため、新たな出荷規格「新選別栗」を制定。浮き栗や獣害果、50%以上の実炭そ病害果・カビ・害虫化果以外で、果実部分が50%程度使用できることを条件としている。部会員からは「今までは規格外に該当していた栗が出荷でき、少しでも手取りになるので有り難い」と話す。17年度は約6㌧が出荷され、栗きんとんの他、栗の焼酎に使用される。
目揃え会では収穫の注意点として、収穫は果実温度が低い早朝に行うことや、収穫後は冷涼な場所で保管する事などが呼びかけられた。特に選果の段階では、変形・変色、腐敗臭が無く、硬くて艶のあるものの出荷を強調した。また、同事務所からは栗園の雑草抑制などの効果が期待できるイネ科の「ナギナタガヤ」の導入や害虫「モモノゴマダラノメイガ」の防除について紹介された。
丸山靖志部会長は「選果の徹底で、高品質な栗の確保と出荷に努めてほしい」と話した。