こうもり岩の白い犬〈中津川市下野〉
昔、付知川に面したこうもりが住んでいる大きな岩の洞窟がありました。
激しい夕立に会って、びしょ濡れになったりっぱな武士とその家来が、白いりっぱな武士とその家来が、白い一匹の犬を連れてやって来て、この洞窟に入って、火を焚いて衣服を乾かしました。
旅の疲れでぐっすりと眠り、犬の鳴き声で起き上がると、外はもう夜明けでした。持って来た食料も少しになって、近くの農家へ食料をもらいに行きました。お米と鍋、野菜をもらって、武士は短刀をお礼に渡し、戦さに負けて逃げ隠れている事情を話し、黙っていてくれるように頼みました。
初めのうちは警戒して夜しか火を焚かなかったのに、だんだん馴れて来ると昼間でも火を使うようになって、こうもり岩に落武者がいるという噂は人々の間に広がっていきました。
激しい夕立に会って、びしょ濡れになったりっぱな武士とその家来が、白いりっぱな武士とその家来が、白い一匹の犬を連れてやって来て、この洞窟に入って、火を焚いて衣服を乾かしました。
旅の疲れでぐっすりと眠り、犬の鳴き声で起き上がると、外はもう夜明けでした。持って来た食料も少しになって、近くの農家へ食料をもらいに行きました。お米と鍋、野菜をもらって、武士は短刀をお礼に渡し、戦さに負けて逃げ隠れている事情を話し、黙っていてくれるように頼みました。
初めのうちは警戒して夜しか火を焚かなかったのに、だんだん馴れて来ると昼間でも火を使うようになって、こうもり岩に落武者がいるという噂は人々の間に広がっていきました。
秋の初め頃、朝から犬が吠えるので、よろいかぶとを身につけて、武士が洞窟から出てみると、付知川の対岸から鉄砲で射たれ、ばったりと倒れ、家来の男も射たれて死にました。
「これは、はちがね城の城主だ。首をはねてやれ」追手たちは死屍をほうむり、悠々と引き上げて行きました。 白い犬は主人の塚の前でやせ細って死んでしまったので、村人たちたが葬ってやりました。
その後、白い犬を飼っていた家の主人が若死にしたり、白い壁の家が火事になったり、この村では白いものは祟ると言われるようになりました。
やぎ、うさぎ、にわとりなどは勿論、着物も、白米も祟るから玄米に近いものを食べる家もあります。お尻の所が少し白い馬が急に暴れ出して死んだそうです。
「これは、はちがね城の城主だ。首をはねてやれ」追手たちは死屍をほうむり、悠々と引き上げて行きました。 白い犬は主人の塚の前でやせ細って死んでしまったので、村人たちたが葬ってやりました。
その後、白い犬を飼っていた家の主人が若死にしたり、白い壁の家が火事になったり、この村では白いものは祟ると言われるようになりました。
やぎ、うさぎ、にわとりなどは勿論、着物も、白米も祟るから玄米に近いものを食べる家もあります。お尻の所が少し白い馬が急に暴れ出して死んだそうです。
【解説】
苗木から福岡の植苗木、下野、白山神社を通り、付知の方へぬける飛騨街道が上野と下野の境を通っていたころの話。
今の見佐島集会所のまわりは昼なおい薄暗い森、付知川ぞいは大きな岩が重なり合いこうもりの住家だった。死んだ武将は高遠則秀氏であるという。はちがね城がどこにあるかわからない。