VRで剪定体験

剪定士資格取得へ学習を支援


冬期剪定をVRで体験する栗生産者

JAひがしみのでは東美濃栗振興協議会に加入する栗生産者を対象に、栽培技術をVRやタブレットで学習できるシステムを提供しています。
利用した協議会員からは「冬期以外でも、剪定を実際に行っているような感覚で技術が学習できる」と好評です。学習システムは、JAと東美濃栗振興協議会、岐阜県恵那農林事務所が協同で構築したもの。
同JA管内では栗菓子「栗きんとん」が有名で、菓子店からの地元産の栗に対する需要は年々高まっています。東美濃栗振興協議会には約185戸が加入して高品質な栗を生産・出荷しており、生産量の増大が望まれています。
一方で、産地には高齢化や後継者不足などの課題があります。これらを解消しようと、生産者組織やJA、関係機関などは「東美濃‘クリ地産地消(商)拡大’プロジェクトチーム」を結成。一丸で産地の継承へ向けた体制作りに力を入れています。栗の栽培技術を持った人を目に見える形にしようと栗剪定士認定制度を創設したり、高齢化等で放置されてしまう栗園を次世代の担い手とマッチングする園地流動化などに取り組んでいます。
学習システムは、岐阜県方式と呼ばれる低樹高・超低樹高栽培技術を中心とした栽培技術について学ぶものとなっています。VRシステムでは栗の樹をVR空間で再現し、手に持った装具を動かすと剪定が体験できます。また、タブレットではe‐ラーニングシステムを使用して剪定士資格試験に向けたテスト形式の学習が可能。同協議会員の中で利用が広がっています。
JAひがしみのでは2023年度からこの学習システムの提供を始めており、「タブレット学習やVR技術により、経験の浅い生産者も繰り返し技術を学べる。冬期に実際の園地で行う剪定講習会などと合わせて技術の向上に役立ててほしい」と期待を込めています。